すずめとひばり姉妹は関西出身。姉である私、すずめは首都圏に住んで30年以上が経っている。
5年前に独身を謳歌していた妹のひばりが、40代後半になってよもやの『結婚!』
すずめの娘1号は『おれ達の独身の星、ひい姉が…』と驚いていた。
何やら匂う… こ、これはモラ臭では?
よくある仕事関係者からの「紹介」でひばりとモラ吉は引き合わされた。
複数の関係者が口をそろえて断言したらしい。『バツは3っつもついてるけどイイ男ですよ~』と。
まぁ軽い気持ちでお見合い状態の場に出向いたひばりだったが、
モラ吉に悪くない印象を持ちお付き合いがスタートした。
関西在住のひばりと都内在住のモラ吉は、複数回しか会っていないにもかかわらず、
半年もたたずに結婚することになった。
長くフリーランサーだったひばりにとって、老後の心配を払拭できるような魅力をモラ吉は
持っていた。そう、羽振りが良かったのである。
一方のバツが3っつもついているモラ吉は、周囲の「紹介」とやらを最初は迷惑がっていたらしい。
が、しかし、ひばりの写真を見て「ぜひお会いしたい」となった。
そう、客観的に見てもひばりは美人なのだ。40代後半にはとても見えない若々しさもあった。
「男の稼ぎ」と「女の容姿」が、カチコン!と合わさったということだろう。
ひばりは、関西での仕事も住む場所もすべて清算して東京にやってきた。
姉として、当然「バツ3」男への懸念は大いにあったが、紹介者は全員「尊敬できる仕事関係者」との言葉を拠り所にして自分を安心させた。
正直に言うと、年金も少なく貯金も持っていないだろうひばりの老後について心配があった。
モラ吉との結婚によって、その心配が払拭されて(その時は)本当にほっとしたのを覚えている。
遠方に住んでいたすずめとひばりは、月1のペースで会えるようになった。
当然ピーチクパーチクとしゃべり倒し、モラ吉とのご縁を喜んでいた。
しかし、匂ったんですよ…モラ臭が。「今思えば」としか言いようがないのだが。
すずめ宅に1泊していた時に、ひばりの携帯にモラ吉から入電があった。
「どうした~?」と新婚妻の甘い声を出しているひばりだったが、
どう考えても用事はなさそうな会話。
すずめの頭の中で黄色やら赤やらの「注意!」「危険!」のランプがぐるんぐるん回っていた。
ひばり夫婦、家を買う
東京オリンピックが開催された2021年に、ひばり夫婦は東京近郊に中古住宅を購入した。
首都圏に30年住んでいるすずめにとって、「なぜそこ?」という選択に見えたが、4軒目の住宅購入になるモラ吉に意見を言えるはずもなく、お祝いの品を贈った。
コロナ禍からモラ吉の在宅ワークが通常モードとなり、ギクシャクし始めた話を聞いても
「夫源病」かね~なんて冗談を言える余裕があった。
モラ吉は小さな会社の副社長というポジションだったが、結婚当初から給料の遅延が頻発しており給料日に入金される方が少なかったらしい。
ひばりからは、会社の経営者(モラ吉の地元の先輩)の愚痴を聞かされていたが、
モラ吉にとっても副社長のポジションは心地が良かったのだろう。
コロナが収束し始めても出勤はほぼゼロ状態、少々の給料の遅延があっても転職は考えていなかったようだ。
ひばりは、転居前からパートを始めていたが、新居に引っ越し後も、すぐにパートを始めた。
現在は2か所のパートを掛け持ちしている。
パートであれ「共稼ぎ」なわけだが、キングオブモラ夫のモラ吉は、当然 一切の家事を手伝うことはしないらしい。
しかも、モラ吉は極度の宵っ張りで明け方に寝始めるという、ほぼ昼夜逆転の生活スタイルで、
朝の7時半に仕事に出かけるひばりとは、全く逆なのだ。
パートを2つ掛け持ちしている妻に、不規則に起きてきては「お腹空いた」とほざく…
ひばりがストレスをためるのも当たり前である。
そして、2023年が明けてすぐ モラ吉のモラが始まった。
それは禁句。「結婚する前にわからなかったの?」
モラハラの加害者は概して外面が良く、二面性を持っている。
4回目の結婚になるモラ吉は、おそらく過去の3人の妻たちにもモラハラをしていただろうと思われる。
もう、プロなわけだ。被害者を責めるような発言は、控えるべきだろう。
ひばりは 今、自尊心を踏みにじられ地獄のような毎日を送っている… 何とか救い出さなければ。
気持ちばかりが焦るすずめは、色々な入れ知恵をしたわけだが、ふと気が付いた。
モラ度が加速しているのでは?反論や正論を言い返すひばりに対いて、いら立っているのか?
どうすればいいのか… 時間差の一夫多妻制で悠々と妻たちをあごで使ってきたモラ吉。
ぬぐぐう~~ 今に見ておれ。
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