福祉センターでの面談

別居期間中の出来事

ワンコ2号を見舞った翌日、我々は市役所の真ん前にある「福祉センター」の相談窓口に出向いた。
相談員と面談し「配偶者からのDV被害」に相当するという書類を発行してもらうためである。
正直なところその書類の効力は不明であるが、社会保険事務所で教えていただいた情報では、
その認定を受けていれば「国保」の支払い免除が出来るらしい。

別居してからわかったのだが、モラ吉の勤務先が倒産してから夫婦は国民年金に移行しており、
移行してからの2人分の年金は未納であったのだ。
まだ寝てる、帰ってきてもまだ寝てる状態を続けていたモラ吉である。
そりゃ~そうでしょうよ、という想定内の事実であった。
未納期間はかなりあったのだが、その書類を提出すればナント遡って支払い免除が適用されるとの事!
これだけでも面談をしていただく価値はあると感じた。

相談員のお人柄…ヨシ!!

相談員との面談は、被害者である本人が1人で対応するのが原則であるらしい。
それは面談時間を決める時にも知らされていたので、すずめは近くの待合場所で待機予定であった。
が、担当して下さった方の1人が上席者に確認を取り、すずめの同席の許可を下さった。
ありがとうございます。黙って見守ります。(面談は、女性二人の相談員と我々で行われた)

さすがは「相談員」の方々である。ひばりのペースに合わせてゆっくりとお話をすすめて下さった。
市役所でのあり得ない対応にも一緒に憤慨して下さったのだが、縦割り行政ゆえなのか、
保健センターから「物申す」ようなことは出来ないらしい…
モラ吉の悪行を話すと、大きく頷きながら間違いなく「モラハラ」ですね、大変でしたね、と
ひばりを労わって下さった。
似たような話はゴマンと聞いているのだろう、モラハラ加害者の解説などを織り交ぜつつ話はすすんだ。
なかでも、太郎氏の妻が発した「出てくる料理によります」には、本当に驚いており、
「誰もフォローしないのは酷いですね」と感想を述べられていた。

家事と育児を全員でするという認識こそが大事

当然、太郎氏妻の発言は「モラハラ」ではない。
ただの稚拙な(正直に言うと)アンポンタン丸出しのイタイ発言をしただけである。
しかし、この事件の根っこにあるのは「おさんどんは女の仕事」という理不尽な文化だと感じる。
その理不尽な文化を拒絶したひばりに対して、それを許容できないモラ吉の自己チューな考え方が
対立したのだと分析する。
義息子夫婦を招くことが嫌なのではなく、独りでおさんどんするのがイヤ、というひばりに対して、
かいがいしく立ち回る気のいいヨメをゲットしたオレ、という承認を得たいモラ吉の対立だったのだ。


盆暮れに夫の実家に帰省したくない「嫁」の立場の女性たちがどれだけ多い事か・・・
そして、毎日の生活で「家事と育児」の負担が女性にばかりのしかかる。
結婚して子供を産んだ女性の幸福度が低いのは当然である。
こんな不幸な先輩女性を見て、出生率が上がるはずもないのだ。
政治家はトンチキな事をしないで、家族全員で家事を分担し、社会全体でと育児を担う体制を整える事に
全力を注ぐべきである。(出生率を上げたいならね)
同時に、「家事と育児」は、妻や母親の仕事ではないという教育を社会全体ですすめるべきと感じる。
女性が家事と育児から解放されない限り、経済的にも文化的にも社会は豊かになっていかない。

被害者の2次被害を防止せよ!!

さて、面談の話に戻ろう。

面談員の質問、例えばAですか?の質問に他の回答をし始めてしまうひばりに対して、
黙って見守るということは、すずめにとってはかなりの苦行であった。
その説明じゃ、夫婦ゲンカなのかモラハラ被害なのかわからんやんか~ とか、
内心、ギリギリ?しながらただ座っていたのだ。
面談も終盤に差し掛かり、つい「今の説明だけでは的を射ていない箇所があったと思うので…」と
すずめは余計な事を言ってしまった。
ひばりは「一生懸命しゃべってるのに、じゃあすずめが説明してよ!!」と言葉を荒げたのだ。

「あちゃ~~ また、やってもうた!?」自分の至らなさに撃沈したすずめである。
実は、何度か心無い言葉でひばりを傷つけてしまっているのだ。
つまり、市民課の担当者と同じことをしてしまったのである。そう、被害者のセカンドレイプだ。
本当にすまぬ、ひばり…

相談員の方もやんわりとではあるが、すずめを諭すようなエピソードを共有してくれた。
モラハラ加害者は、総じて「そとづら」が大変いいんです。
被害者が家族に伝えても「あんな良い人がそんな事する訳ない、あなたに悪いところがある」と
守ってくれるべき人たちが敵になり、二次被害が発生するんですね。

そう、その通りだと思う。
被害者が2次被害を受けて、傷つくような事があってはならないのだ。
相談員の方々に、何とかしてモラハラの被害者であるという事を立証しようとして、
ひばりの気持ちを置き去りにしてしまったのだ。
すずめは改めて自分の至らなさを猛省した。

「モラハラ被害者」であることは間違いなく、改めて書類が整ったら連絡します。
という結論が出て面談は終了した。
すずめが要らぬ心配をする必要など、全くなかったのだ。
だって、モラ吉のした所業は「モラハラ加害」であるのだから。

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