髪の毛抜けたの、オレのせいになってない?

モラハラの経緯

2023年夏、この夏も(というより毎年だが)本当に暑かった。

土日休みのすずめと平日休みのひばりだったが、何とかお互いのスケジュールをやりくりして
ランチをしたり、一人暮らしのすずめ宅でお泊まり会をしたりした。
初めてウィッグを着けたひばりを見て「あら、オシャレやん」と感想は出たが、
ウィッグを外して、頭部の半分以上が脱毛した状態(ありていに言えばハゲ状態)、
髪の毛をそりあげた状態を見て、絶句するしかなかった。何でこんなことになったんや…涙。

ウィッグにも色々とあるらしく、関西人のノリを出しながらひばりは説明してくれた。
すずめの家で医療用の帽子を被り、明るく話すひばりだったが、
その心中を考えると心穏やかではいられなかった。

ゴミの仕分けすらせず、何が何でも家事をしない男、モラ吉

2人で会う時の会話は、最近のひばりの様子とモラ吉の愚痴を聞くことが多かった。
モラ吉の会社が倒産し、増々ヤツはわがままになり ひばりに対しての無茶ぶりを加速していた。
飲んだビールの空き缶やペットボトル、ウーバーのプラゴミをほったらかしたままにし、
何度仕分けのルールを教えても その通りにやらないのだ。(そもそもやる気がないのだろう)
ひばり夫婦の住んでいる地域は、間違ったゴミの捨て方をすると収集してもらえず、
置き去りにされるらしい。ひばりはモラ吉に注意するが、その度に言い合いになる…

すずめはひばりに滾々と言い聞かせた。
「絶対モラ吉の後始末をしたらアカンで!虫が湧こうがそのままにしておけ!」
「どんなに時間がかかっても本人にやらせるべし!子供の躾と一緒やで!」

世の母親の多くは、自分でやった方が早いからと、我慢できずに過度に子供の世話をしがちである。
夫に対しても多くの妻は「言ってもムダ、自分でやった方が早い」という論理で母親のように
世話をする傾向があるように見える。
子どもの頃は母親に世話をしてもらい、 大人になれば妻が世話をする。
世の男どもはいつ「大人」になるのだろう?妻は、腑抜けた男を再生産してはならない。
昼夜逆転の生活を送るモラ吉は、(前にも書いたが)夜中の3時などに腹を空かせて夜食を食べることが
多く、当然キッチンは汚れたままに放置している。
モラ吉に後片付けをするように言うと、ここでもまた言い争いになる。
「洗えばいいんだな洗えば!洗う!洗う!洗うよ!」と啖呵を切るモラ吉だが、
一度も皿を洗ったことがない。家事をしたら自分の負け!とでも思っているのだろうか。
やれスポンジの場所がわからんだの洗剤がどうしただの、言い訳は3歳児以下である。

モラ吉の深層心理? モラハラ加害者と被害者の胸の内

ひばりの脱毛症が一気に進んでしまった夏だったが、すずめのモラ吉に対しての気持ちは、
未だ最上位の警戒態勢ではなかった。
超絶男性優位主義の亭主関白な人で、ちょいモラ体質くらいに思っていたのだ。
その証拠に「ほんま夫源病やね~」「男の人にも更年期ってあるみたいやしそれかね?」
など今考えると呑気な感想を述べていた。
挙句の果てには「夫婦カウンセラーとか受けてみたら?」などトンチキなことも言っていた。

ウィッグを装着して初めてすずめとあった日のこと。自宅に戻ったひばりにモラ吉が尋ねたらしい。
「姉ちゃん元気だった?」というジャブの後「髪の毛抜けたのオレのせいになってない?」と。
思わず言い淀んだひばりに、またもやモラ吉が激怒した。
「何だよ!オレのせいかよ!オレのせいになってんのかよ!」
「こんなに頑張ってんのにどういうことだよ!」


絶対に認めないが、モラ吉も妻の脱毛症が自分が与えているストレスに大きく関係している
ということをわかっているのだと思う。それ故のセリフなのではないだろうか。

姉であるすずめが、ひばりの脱毛症の原因を
「ワンコの世話が大変だからじゃないの?」とか、
「パート先の人間関係が大変だからじゃないの?」とか、はたまた
「近所の人たちと折り合いが悪いからじゃないの?」などに求めないとわかっているのだ。
(もちろんそんなところに原因がないのは明らかである)

モラハラの分析なぞしたことはないが、自分が悪だと理解はしていてもそれを認められず、
予想したことをひばりにぶつけて自衛にまわったからこそのセリフなのだと思う。
こうやって、モラ加害者どもはモラ度を上げていくのだろう。

この辺りですずめは確信した。モラ吉は「モノホン(真正のモラ)」や!
ひばり、それモラハラやで~!!モラ吉の言った言葉を逐一チェックしてひばりを諭したが、
当の本人が、自分が被害者であるという事に本当の意味で気づいていないようだった。
無意識のうちに(少々は文句も言いつつ)、モラ吉の言うがままに行動してしまっているように見えた。
無意識の共依存なのだろうか・・・。

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